デイサービスやヘルパーなど、介護保険適用の介護サービスを利用するためには「介護認定」を受ける必要があります
「介護認定」とは、本人の健康状態、生活状況を見て、介護が必要な状態をランク付けするものです
介護認定の判定結果によって、1割負担で1ヶ月に利用できる介護サービスの量(金額換算)が決まってくるため、とても重要な意味を持ちます
いくら、本人や介護する家族が大変な思いをして生活していたとしても、介護認定で「たいしたことはない」と判定されてしまうと、
それこそ「たいしたことのない介護サービス」しか受けることができなくなってしまいます
主治医が家族の思いを伝える大きな力となります
介護認定では、特に、かかりつけ医、主治医の存在はとても重要です
介護認定の際には、主治医に対して意見書が求められます
認定調査員による訪問調査もありますが、残念ながら、あれこれ窮状を訴えたところで、15〜20分程度の訪問調査では大きな期待はできません
しかも、訪問調査による調査項目は数値化されることが多く、本人や家族が問題や負担に思うことがうまく伝わらない可能性もあります
しかし、主治医の意見書は、あらかじめ決められた項目ではなく、状況を言葉でより詳細に、より正確に伝えることができる可能性があります
「本人や家族が問題や負担に感じる思い」を代弁してもらうことができるのが「主治医の意見書」なのです
訪問調査の時に、たまたま調子がよく受け答えがしっかりできてしまい、日頃の状態と違う様子であったとしても、
15〜20分程度の訪問調査の内容より「主治医の意見書」の内容が優先されるべきものです
他の誰かが何を言ったところで、患者のことを一番理解しているのは主治医です
主治医が「こうだ」と言えば、それに異を唱えることなど誰にもできません
例えば、認知症の主治医というと精神科の先生と考えがちですが、 必ずしも精神科医である必要はありません
むしろ、以前から長く診てもらっている内科医の先生などの方が総合的にはよい場合もあります
現在の症状や今後の治療方針だけでなく、日常の生活状況、身体機能を含めた生活全般がどうであるか、総合的にどの程度理解してくれているか
そして、家族の苦労、思いを代弁してくれる、そんな先生が介護認定には必要です
要はいかに「当事者とその家族のことを理解してくれているか」ということ…
この総合的な理解ということは、精神面だけでなく、健康状態、体力、生活習慣などを含めたという意味で、介護認定には大きく影響するところです
要は、自分ひとりで生活できるかどうか、どのくらいの介護サービスが適当であるかの総合的な判断です
昔から診てもらっている先生であれば、心情的にも、家族の期待に応えてくれる可能性が高いのではないかと思います
意図的に、介護認定に不利な意見書を書くような医師はいないと思いますが、簡単に書かれてしまうのと詳細に書いてもらうのとでは介護認定の結果が違ってしまう可能性もあります
この差が介護サービスを受ける際には、とても大きな意味を持つということを十分認識しておく必要があります
在宅介護を無理なく続けるためにも、必要な介護サービスを上手に利用するためにも大切なポイントです