借りたお金を返さない方が悪い…
たしかにそうかもしれませんが、事情はどうであれ、人の財産を強制的に差し押さえるというのは簡単なことではありません
簡単にできるようなものであれば、それも大問題となります
差押… と言うと「差押」と書いた紙をぺたぺたと貼っていくシーンが思い浮かびます
しかし、家電、家具などを差押えしたところで、手間、経費を考えるとたいした回収にならないことが多いようです
やはり、手っ取り早く、確実なのは「お金」ということで、サラリーマン、会社員なら給料を押さえるのが一番ということになります
次に、銀行などに預けてある預貯金などが対象となります
銀行にお金があるのなら、返済できるだろう、と思われますが、 失業中などの場合は、当面の生活費は確保しておきたい
事業を行っている場合なら、事業資金がなければ事業を継続できない
などの理由から、ある程度のお金を持っていることもあります
それぞれに事情があるとは思いますが、回収する方にも事情がありますので、 差押えの対象になるのは間違いありません
銀行など金融機関の預貯金に対する差押命令の「別紙 差押債権目録」です
銀行など金融機関に対しての差押命令は、目録にある順番に行われます
実際に預貯金が差押えられた場合
ゆうちょ銀行の場合は、いつ、いくらが差押えとなったのか通知してくれるようです (すべての金融機関が通知してくれるわけではありません)
通帳の記帳欄には、その時点の全額が出金として表されることになります
ただし、差押えをしたのは、「お金」であって、「口座」ではありませんので、金融機関にしてみれば、「引き落とし」が1件あったという感じになります
差押が行われても、口座そのものは特にどうということもなく、その後も今までどおりに使用することができます
差押命令のあった次の日に入金したお金は、差押えの対象にはなりませんし、そのお金を差し押さえるためには、再度、裁判所に手続きを行う必要があります
しかし、その後も「差押えられる可能性がある口座」ということは認識しておく必要があります
滞納する方が悪いとは言え、人の財産を強制的に取り上げてしまうというのは、 簡単なことではありません
そもそも差押がいとも簡単に行われてしまうようでは、社会の信用が失われてしまいます
ですから、差押えの命令をする方も、銀行など実際に差押えの手続きをする方もとても慎重になります
万が一、間違いがあった、当事者ではない方の財産を差押えてしまったなど、 問題があったとしたら、それは大変なことです
ゆえに、差し押さえの手続きは慎重に行われるものですし、相応の時間を要するものとなっています