世帯分離の届出に関する話の中では、たびたび「虚偽」「法律違反」というような言葉を耳にします
たしかに、住民基本台帳法では、必要な届出をしない、虚偽の届出などについては、「五万円以下の過料に処する」とあります
しかし、現実的に、住民基本台帳法に違反したことだけで訴えられた人がいるかと言えば、まず、いないと思います
家族が日々一緒に生活するという、ごく普通の生活がある一方で、世の中には実に様々な「関係」「つながり」があります
実際に、いろいろな事情で住民票を、現実に住んでいる場所に置いていない人がたくさんいます
相続などお金に関係する問題、夫の暴力から逃れている妻、ホームレスもほとんど当てはまると思います
理由はどうであれ、法律に違反しているかどうかで言えば、違反していることになると思います
その中に、実際に罰則の適用を受けた方がいるでしょうか…?
そもそも住民票は誰のためのものかと言えば、住民のためであって、住民票を置くことでいろいろな行政サービスを受けられるわけです
現住所地に住民票を置かないということは、自分自身の不利益となることです
犯罪行為に関係するなど悪質な場合を除き、罰則の適用に積極的でない理由のひとつと言えると思います
また、役所が個々のお金の話や人間関係に深入りできない、あるいは関わりたくないという本音もありそうです