介護サービスの費用負担を減らしたい… 問題解決のための世帯分離という選択

現状に問題、不満などがあって、対策を考える時、解決するための方法をいろいろと考えます

いくつかの選択肢がある場合、目的がはっきりとしないとメリット、デメリットの比較検討がきちんとできないことがあります

住民票の世帯を分離すると家計負担が減ることがあるらしい…

家計負担を減らしたい

世帯分離の手続きをすると、その家族に、それまでと違った負担が求められることになります

「よいこと」だけの場合もあれば、「わるいこと」だけの場合もあり、両方含まれる場合もあります

例え、負担が増えてしまうことがあっても、それを上回る負担の減少があれば、トータルでメリットがあるということになります

「何を」「どうしたいのか」まずは目的をはっきりさせることが必要です

介護サービス利用明細

要介護度4で、デイサービス(通所介護)を利用している方の費用負担例です

デイサービス(通所介護)では、昼食が出されますが、この昼食代は保険適用外です

昼食代 600円 × 27日分 = 16,200円は、保険適用外のため実費負担となります

介護度が上がるにつれ、1割負担で利用できる介護サービスの利用限度額も上がりますが、同時に利用料(単価)も上がってしまいます

介護施設実費負担

また、介護サービスの利用を増やせば、当然のことながら支払うべき利用料も増えます

在宅での介護生活を続けるためには、介護サービス利用することが必要不可欠ですが、毎月の負担額が大きく、生活全般に支障をきたします

できれば、家計負担を減らしたいところですが、負担軽減の可能性があるのは、保険適用分である月額30,439円です

介護保険適用サービスの利用には、「高額介護サービス費(高額介護予防サービス費)」という仕組みが用意されています

利用者が1ヶ月に支払った介護サービス利用にかかる費用について、1割負担の合計額が 「一定の上限を超えたとき」は、限度額を超えた分を市町村が負担してくれるものです

負担軽減 高額介護サービス費

上限額は、その「世帯」の収入状況によって段階的に決められています

利用者を含む「世帯」の中に、住民税の課税者がひとりでもいると「第4段階」となり、月額37,200円を超えた部分が公費負担となります

しかし、これでは実質的には、全部自分で払ってくださいと言われているようなものです

実際に負担額に影響が出てくるところが「第2段階」で、上限額は、15,000円となります

これが適用されると先の負担軽減の可能性のある、保険適用分月額30,439円の内、15,000円を超えた部分、15,439円が公費負担の対象となり、利用者の負担は「15,000円だけ」になります

住民税 非課税世帯

住民票上の世帯の中に、ひとりでも「課税者」がいるとその世帯は住民税の「課税世帯」となります

世帯分離により「課税者」を分離することで、非課税者だけの「非課税世帯」となります

利用者本人だけの住民税の非課税世帯となることで、「第2段階」になり上限額は、15,000円になります

このケースでは、毎月約15,000円の負担が軽減されることになります

年額では、15,000円×12ヶ月=180,000円となるわけですから、とても大きな差と言えそうです

【注意】
利用者本人が住民税非課税であることに加え、課税年金収入額の合計が80万円以下という条件があります

介護保険高額介護サービス費支給決定通知書 世帯分離メリット